今西ブログ

2013年10月 6日 日曜日

ベランダでの喫煙で損害賠償?!

公共の場所での喫煙が広く禁止されるなど、喫煙者にとっては肩身の狭い世の中になってきました。
 家庭内でも煙たがられることが多く、家の中では吸うなといわれ、外で吸ったり、ベランダで吸ったりという喫煙者の方も多いと思います。

 さて、ベランダで喫煙をされている方に、一つ注意をしていただきたい裁判例が最近名古屋で出ました。
 Yさんがマンションのベランダでタバコを吸っていたところ、階上に住んでいたXさんの部屋にタバコの煙が流れ込んだため、Xさんは苦情を言いましたが、Yさんは相変わらずタバコを吸い続け、その後の再三にわたるXさんの苦情にも応じようとしませんでした。
そこでXさんは、裁判所に損害賠償を求めました。
 裁判所は、「マンションの専有部分及びこれに接続する専用使用部分における喫煙であっても,マンションの他の居住者に与える不利益の程度によっては,制限すべき場合があり得るのであって,他の居住者に著しい不利益を与えていることを知りながら,喫煙を継続し,何らこれを防止する措置をとらない場合には,喫煙が不法行為を構成することがあり得る」として、Yさんに対し、Xさんに5万円を払うように命じました。
実は法律相談をしていると、この手の相談はいくつか受けることがあります。
 支払いを命じられた金額は決して大きくないですが、集合住宅のベランダで喫煙される方はご用心を。

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2013年9月17日 火曜日

時効にかかった借金の請求

法律相談をしていてよくある相談の中に、既に時効にかかった債権を請求されているという案件があります。

10年以上、下手をすると20年以上前に借りたものの、全部返すことができず、そのままになっていた借金を、債権回収会社が「買い取った」と通知してきて、請求をしてくるというものです。

民法上、借金のような一般的な債権の時効は10年とされています(民法167条1項)。
しかし、昔風にいう「サラ金」から借りたお金は、商事債権といい、民法ではなく、商法が適用され、それによれば5年間で時効にかかるとされています(商法522条)。
つまり、10年以上前に借りたお金は、原則的に返さなくていいことになるわけです。

ただ、注意しなければならないことがあります。
まず、時効は「援用」、つまり請求をしてきている相手方に対し、「あなたの請求している債権は5年以上も前のものですので、私は時効を主張します」という、意思表明が必要であるとされていますので、相手方に対して、その旨主張しなければなりません。
援用は、口頭でもできるので、法律的に書面でしなければならないというわけではないのですが、内容証明郵便で援用をし、かつ配達証明をつけておけば、相手方に確実に援用の意思表明が届いていることを後々証明することができますから、念のため、口頭ではなく、書面でしておいた方がいいでしょう。

次に、時効期間より前に、相手方から裁判を起こされて判決を受けたり、相手方からの請求に対して「一括では払えないから、分割にできないか」などという反応をしてしまった場合は、時効が援用できない場合があります。
通常、内容証明郵便を送ると、それ以降、業者から連絡が来ることはありません。
が、もし連絡が来続けるようであれば、それは上記のような事情があると業者が判断しているからかもしれません。

内容証明郵便の作成や、業者との交渉で何かお困りのことがありましたら、何なりとご相談下さい。

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2013年9月 1日 日曜日

お知らせ

 9月2日から9月8日まで、お休みを頂きます。

 したがいまして、この間ご連絡を頂いた方に対するお返事が遅れますことをお許し下さい。

 よろしくお願い致します。

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2013年9月 1日 日曜日

相続放棄とお墓

 諸般の事情から、相続を放棄をしたいが、お墓だけは今後もしっかり守っていきたい。どうしたらいいか、というご相談を、最近、ほぼ同時期に複数受けました。

 お墓(お墓のある土地の所有権や借地権も含む)や位牌は、祭祀財産といって、預貯金や土地建物など相続財産と異なる扱いを受けます。
 したがって、相続放棄の場面に限っていえば、相続放棄により、相続財産については承継ができなくなったとしても、祭祀財産であるお墓は継ぐことができ、その後も守っていくことは可能なのです。
 たしかに、常識的に考えれば、たとえば親の借金が多く、普通に相続すれば相続をする方が破産をしなければならないような状況にある者は、墓も含めてすべて放棄して、債権者にお金を返さなくてはならないなどというのは変な結論ですから、上記のような結論は当然ともいえるかもしれませんね。

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2013年8月23日 金曜日

遺留分でもめないための手段

 家族みんなで話し合って納得ずくで遺言書を作成したはずなのに、いざ相続が発生すると、財産を残してもらえなかった相続人が遺留分を主張し始める、というケースは珍しくありません。
 そんなときは、あらかじめ遺留分放棄許可の申立をしておくと、争いにならずに済みます。

 遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人に法定相続分の一部を保障する制度ですが(民法1028条)、この制度によって与えられる遺留分権も財産権ですので、自由な意思に基づいて放棄をすることができます。
 しかし、放棄を無制限に認めると、被相続人が親であった場合に、親からのプレッシャー等で遺留分権利者の自由な意思に基づかない放棄が行われる可能性もあることから、民法は、家庭裁判所の許可を必要としてるのです(民法1043条1項)。
 家庭裁判所は、放棄が遺留分権利者の自由な意思に基づくものであることと、放棄につき合理的な理由があることが確認し、放棄を許可するべきかどうかを判断します。
 話し合いの段階で納得ずくであるというのであれば、後々遺留分の争いが起こらないよう、この手段を検討してみてもいいかもしれません。

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